糖尿病・内分泌科

スタッフ紹介

<患者さんへのメッセージ>

いわき市には病院勤務の糖尿病専門医が少ないため糖尿病領域の緊急症の多くは当院に搬送され治療がおこなわれています。 当院糖尿病科の勤務医は2名しかおりません。このため状態の落ち着いている外来患者さんは近隣の診療所に通院していただいています。 糖尿病は生活習慣病ですので、検査の数値にとらわれず患者さんたちがよい人生を送れるように援助できればと考えて診療しています。


役職・氏名 出身大学 卒年 資格 専門分野
主任部長
小野 利夫
東北大学 昭和56年 日本内科学会認定医、日本糖尿病学会専門医・指導医、日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医・指導医 糖尿病・内分泌領域
科長
渡辺  崇
秋田大学 平成17年 糖尿病・内分泌領域
非常勤
金田 史香
糖尿病・内分泌領域

診療紹介

糖尿病内分泌科は、糖尿病を中心に診療しています。

糖尿病外来は月曜から金曜日までで、月・火は1名、水・木・金は2名(うち1名は応援医師で、水・木は金田先生、金は東北大学糖尿病代謝科の先生)で担当しています。

セカンドオピニオン希望は対応できる範囲で受け入れ可です。主治医指名はありません。初診時は予約が望ましい。

特色

密度の濃い1週間の教育入院を実施しています。
外来では糖尿病療養指導士・薬剤師によるインスリン自己注射指導導・血糖自己測定指導、管理栄養士による食事指導を随時おこない患者の利便を図っています。インスリンは外来で導入することも多いです。

症例数・治療・成績

現在通院中の糖尿病患者数は約1200名、平成24年の入院患者数は約470名。
インスリン分泌能・感受性を評価し、合併症(網膜症・腎症・神経症、脳・心臓・下肢血管の動脈硬化)の有無・程度を診断しながら治療を開始します。必要に応じて人工膵臓を用いてインスリン感受性を判定します。
眼科・循環器科・血管外科・形成外科・リハビリ科・泌尿器科と連携を密にして治療効果を上げています。腎臓内科・神経内科は常勤医不在なので、透析は連携病院にて実施しています。また通院患者に生じた脳梗塞は当科にて診療します。膵疾患や内分泌疾患に伴う2次性糖尿病・内分泌性高血圧症・甲状腺・下垂体・副腎疾患も診療対象です。
糖尿病患者の会「みどり会」があり会員の交流・啓蒙をおこなっています。

医療設備:
人工膵臓・MRI・CT・体成分分析装置・頸動脈エコー・腎血管エコー・脈波速度測定装置・加速度脈波測定装置・血管内皮機能検査・24時間血圧モニター・神経伝導速度測定装置・自律神経機能検査(心電図RR分析装置)・アプノモニター

1.糖尿病の患者さんへ

糖尿病は、漫然と投薬を受けていればよくなるという病気ではありません。特に2型糖尿病は患者さん自身の生活習慣が大いに関係しますので、治療は、患者さんに糖尿病をよく理解していただくことからはじまります。しかし、患者さんが糖尿病を自分で勉強し、理解することは簡単なようで実は大変です。このため、当科では、看護部、栄養給食室、理学療法室、薬局の協力を得て糖尿病教育入院を行っております。原則として糖尿病教育入院は8日間を1クールとして、1ヶ月に2クールずつ行っています。糖尿病の知識の習得、栄養指導、運動指導、および日常のケアなどについて、集団指導・個別指導・ビデオ学習などを組み合わせて行っています。受講希望の方はかかりつけの先生に紹介状を書いてもらい、当院を受診してください。

糖尿病の治療を始めると一時的に血糖コントロールが良好になっても再び血糖コントロールが悪化してしまう方が少なくありません。また、入院する時間がとれないので外来で治療を希望される方が大勢います。このような方のためには外来で個別の糖尿病療養指導や栄養指導も行っています。専任の看護師・管理栄養士が担当します。

インスリン治療が必要な場合には、外来でのインスリン導入も積極的に行っています。インスリン自己注射や血糖自己測定の手技・変動する血糖に対するインスリンの自己調節の方法・低血糖の予防や対処などきめこまかな指導を専任の看護師が外来でおこないます。当院受診を希望される方はかかりつけの先生に紹介状を書いていただいて受診してください。

2.病診連携を希望される先生へ

糖尿病で他院から紹介されるのはおおむね次のような場合です。

①糖尿病ケトアシドーシスや高血糖高浸透圧症候群が疑われる場合。
②糖尿病患者さんの妊娠の場合。糖尿病女性が出産を希望する場合は、胎児奇形など妊娠、出産異常の発生防止のために、妊娠前の治療・管理が必要です(妊娠計画)。また、妊娠している場合は母胎や児の合併症を予防するために、厳格な血糖コントロールが必要です。
③強化インスリン療法をしているのに血糖コントロールが改善しない場合。
④インスリン治療に慣れていないので、インスリン導入を依頼する場合。
⑤合併症があるとき。

糖尿病は、血糖コントロールが悪いまま放置しますと、血管障害を起こします。
血管障害には細小血管障害と大血管障害があります。治療を中断したり、不十分な治療を続ければ、どちらも進行します。糖尿病腎症が悪化して透析導入になったり、網膜症のために視力障害を起こします。このような患者さんは、該当する科に直接紹介してください。
また、動脈硬化を基盤として生じます脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、閉塞性動脈硬化症などの大血管障害も、発症時にはすみやかに該当する科と直接ご相談ください。

糖尿病の患者さんは感染症にかかりやすく、さまざまな感染症を合併し、敗血症を伴うことも多いです(特に腎盂腎炎からの敗血症)。臨床的敗血症を疑うような重症感染症を併発した時にはまず該当する科と直接相談してください。

その他、当科では内分泌疾患も診療しています。疾患としては、甲状腺疾患、とくにバセドウ病が圧倒的多数です。少数ながら、下垂体・副甲状腺・副腎疾患などもあります。腫瘍性病変などは外科や耳鼻科、脳外科、泌尿器科などのご協力をいただいております。地方では内分泌を専門とするのは大学病院など限られた施設です。当科でもバゼドウ眼症・バセドウ病のアイソトープ治療などは専門病院に紹介しています。患者さんが専門的な治療を希望なさる場合にはしかるべき専門病院を紹介してください。

3.当科で研修あるいは糖尿病専門医取得を目指す先生へ

1)初期研修医の先生へ
初期研修で当科を選択した場合、原則として入院患者を受け持ち、糖尿病の診断・治療の実際を中心に学びます。 まず、インスリン抵抗性やインスリン分泌不全など糖尿病の病態を的確に把握できるように指導されます。インスリン抵抗性は人工膵臓を用いたクランプ試験で正確に評価する場合もあります。
基本療法である食事療法、運動療法の理論と実践を学びます。さらに病態に応じた経口血糖降下薬やインスリンの使い方も学びます。
糖尿病性昏睡時のインスリン静脈内持続注入療法を修得します。

妊娠糖尿病では、奇形児予防のための計画妊娠・妊娠中・産褥期の管理を学びます。

細小血管障害合併症例では網膜症、腎症、神経障害、糖尿病壊疽時の検査、診断、治療について学びます。糖尿病は、心血管障害、脳血管障害などの動脈硬化性疾患も高率に合併するので、動脈硬化の予防、検査、診断、治療などについても学ぶことができます。血管エコーでも動脈硬化の診断が行われますので、これらの手技も修得します。

当院では糖尿病教室を開講しており、研修医にも初歩的な部分の教育を担当してもらいます。実際に患者さんを指導する中で患者さんの悩みを知ることができ、一般的な糖尿病の知識を整理することもできます。患者さんに十分理解してもらえるように説明するには経験が必要です。

その他、症例があれば、甲状腺疾患をはじめとする内分泌疾患も経験できます。
もちろん研修期間に応じて、上記の内容以外にもさらに広く深く研修することを希望します。

糖尿病は、高血圧についで多い病気であり、今後ますます増加します。糖尿病の知識はどの科を専攻するとしても必須です。糖尿病の診察はどのような方法で行われているのか。それらの最前線の現場をよく見ておくことは将来役に立ちます。初期研修の間に1度は当科で勉強しておくことをすすめます。

2)後期研修医ならびに糖尿病専門医の取得をめざす先生へ
糖尿病は国民病ともいわれ、糖尿病を強く疑われる人が820万人で、糖尿病予備軍も含めると1870万人で、年々増加しています。糖尿病の大部分は症状がないので、コントロールの悪いまま放置されている場合が多く見られます。その結果、糖尿病の患者さんはさまざまな合併症に苦しむことになります。そうならないように糖尿病の患者さんを指導し、治療するには経験を積むことが必要です。しかし、糖尿病専門医は日本全国で不足しているのが現状です。私たちは、当科の糖尿病診察をさらに充実させ、発展させるために、後期研修医および糖尿病専門医をめざす先生を募集しています。

当科は日本糖尿病学会の教育認定施設です。したがって当科で研修を3年行うと日本糖尿病学会専門医の受験資格が得られます。3年以内でも当科在籍期間は研修期間に加算されます。

現在当科のスタッフは日本糖尿病学会研修指導医1名(内分泌学会指導医でもあります)と糖尿病専門医1名です。

入局者には病棟での入院患者の診察や外来も担当してもらいます。糖尿病を中心に高脂血症、肥満など代謝疾患の診療にも習熟できます。また、甲状腺機能亢進症、副腎不全などさまざまな内分泌疾患も経験できるので有意義な研修ができます。1年研修すれば、主要な内分泌代謝疾患は診療できるようになります。

糖尿病診察に情熱を持つ先生であれば、卒業大学や研修病院等の履歴は一切問いません。歓迎いたしますので気軽に連絡してください。

研修期間は希望により、1年でも2年でも3年でもかまいません。先生の希望も取り入れて適宜相談しながら充実した研修ができるように可能な限り配慮いたします。もちろんその後も必要であれば相談に応じます。

当科の糖尿病専門医カリキュラムを下記に掲載しますので、参考にしてください。

糖尿病専門医研修カリキュラム(磐城共立病院糖尿病内分泌科)

初期研修を終了し基礎的診察能力を有する内科医師を対象に、さらに高度の知識と豊富な経験を持った糖尿病専門医をめざす方に糖尿病臨床研修を実施し、糖尿病専門医としての素地を固める。以下年度別目標及び実践を述べる。

【第1年度】

1年度の目標は、糖尿病診療の基本を学ぶ。そのため、本年度の研修は原則として入院患者を中心としたものとする。

年間100症例以上の糖尿病患者を指導医とともに受け持つ。この中には、様々な症例が含まれる(経口血糖降下薬二次無効例・インスリン導入例、1型糖尿病血糖コントロール不良例)。経口血糖降下薬の種類・作用機序と使用方法やインスリン製剤の種類と特徴を知り、自在に使用できるようにする。糖尿病腎症では病期に応じた治療法や血液透析の適応などを学ぶ。糖尿病神経障害合併例では知覚障害・下痢・起立性低血圧などの治療を学ぶ。

さらに、糖尿病急性合併症としての糖尿病昏睡時のインスリン静脈内持続性入療法や低血糖の対処にも習熟する。その他糖尿病壊疽例なども学ぶ。そして糖尿病の診断および治療能力の向上をはかる。

主な検査手技としては、病態把握のために人工膵臓の検査を行う。希望があれば眼科専門医の指導下に眼底検査所見の評価法を覚える。糖尿病神経障害診断に不可欠な神経伝導速度、心電図パワースペクトル分析を利用した自律神経機能検査などを学ぶ。合併症の有無・進展度の評価ができるようにする。また動脈硬化定量評価として頸部Bモード超音波検査・PWVなどを学ぶ。血管内皮機能検査もおこなう。24時間血圧モニターやアプノモニターの評価も学ぶ。

8日間の教育入院システムがあるので、糖尿病教育の現場に参加して食品交換表を使った食事療法、運動療法に関し、理論を学ぶのみならず、患者の個性に応じた実践的な指導法を習得する。また、インスリン自己注射や血糖自己測定の指導・シックデイルール・低血糖時の処置の指導に十分習熟する。

【第2年度】

2年度には入院患者での糖尿病の診察を単独で実行できるようにする。

入院患者は1年目に引き続き年100症例以上を単独で主治医として受け持つ。ただし、疑問点があれば研修指導医が相談に応じる。
糖尿病教室においては看護師、栄養士、薬剤師、理学療法士とともに患者集団教育を行う。研修医自身で、講義の原案を作成し、教室を主催する。
糖尿病患者の会「みどり会」の行事に参加し、患者が糖尿病をいかに理解しているか、また患者の悩みについても理解する。

【第3年度】

3年目には入院治療に加えて、糖尿病外来診療の実践を開始する。

糖尿病患者では、他疾患合併症例が多いので、単に血糖コントロールにとどまらない総合的外来診療の実践を努力目標とする。高血圧、高脂血症などの病態と薬物の使用法を覚える。

糖尿病患者手術症例の術前血糖コントロールや、糖尿病患者妊娠の血糖コントロール、糖尿病腎症による透析導入例、心筋梗塞や脳血管障害例の血糖コントロールなど他科との連携において的確な指示ができるようにする。